明日へと向かう旅

初期研修を終了し、JapanHeartという団体のもとで、カンボジアで医療支援を行います。日々の生活や印象に残ったことを書きとめていきます。

肌で感じたカンボジアの医療②

お久しぶりです。

今、カンボジアはお盆の時期が終わりました。
カンボジアでは国民のほとんどが仏教を信仰しています。
お盆はご先祖様がお寺に帰ってくると信じられていて、約2週間に渡ってお寺で行事が行われています。ご先祖様は船に乗って帰ってくるらしく、だからちょうど雨季の川が増水したこの時期にお盆があるようです。
行事をご紹介すると、例えば、
夜明け前にお寺に向かってご飯を投げる。(ご先祖様は夜明け前にくるらしいので、食べ物をあげるため)
お坊さんに食べ物をお供えする。(ご先祖様にご飯をあげることになる)
などなど。

私もお寺(パゴダ)に行って、お供えをしました。
お坊さんの前で踊りをやっていたりして、独特です。
日本の仏教は質素で厳かに行事が行われる印象です(ひたすら修行のイメージ)が、なんかカンボジアの仏教では神様が出てきたり、賑やかな踊りがあったり、日本の仏教とは違うな〜と思います。
ただ、ご先祖様を大事に思う気持ちは変わらないと思います。

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被り物して踊っています

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これは砂の山にお線香を立ててお祈りをします。危険を守ってくれるらしい。(砂が災を表しているらしい)




一つ前のブログで提起したカンボジアの医療やその他の問題点。
・衛生環境がよくない
・医療への信頼度が低い
・医療費が高く貧しい人は医療が受けにくい
・伝統医療が強く信じられている
・薬局で簡単に薬が手に入りすぎる
・健康診断がない
・国民の健康への関心が低い

今日は
・衛生環境がよくない
・医療への信頼感が低い
・伝統医療が強く信じられている
についてお話しします

まず衛生環境がよくない。
例えば下水道は特に地方では整っていません。病院からの排水も近くの池に溜まっていっている状態。病院のゴミはゴミ収集車に回収されてどこかに運ばれていきますが、そのほか民家では、道路沿いに捨てたり川に捨てたり、ゴミ収集は行われていないところが多い。だからか、カンボジアはハエが多いです。雨季になれば洪水がおきて、そういう排水がぶわぁ〜と道路に氾濫します。その中も裸足にサンダルで人々は歩いていきます。基本サンダルで生活しているので、基本足は汚いし(僕も)、あとは蚊にも知らぬ間に刺されていたり、それを掻いて傷になっていたり。その傷からバイキンが簡単に入って感染を起こしてしまうんでしょうね。足が感染してそれが広がって病院に来る人はめちゃくちゃ多いんですよね。
とにかく、ゴミの問題や、下水の整備、洪水への対策が必要で、それまではなかなか衛生環境は良くならないだろうな〜と思います。
手洗い等は新型コロナウイルスの影響か、カンボジア人の意識はとても高くなりました。

次に医療への信頼が低い。
これは、ポルポトの時代に知識層が減ったせいで、医師が減ってしまったこと。その人材不足を補うために医学部の大学はたった一年で卒業できたこと。また医者が足りないために、看護師が薬を処方したり縫合をしたりすることもあります(今もあります)。そんな人たちが医療者の中心でした。今もなおカンボジア人にとっての医療のイメージはよくはないのでしょう。
現在は、医学部は8年生となり、ここ数年で国家試験も始まりました。プノンペンシェムリアップには国公立や私立の、高度な医療を行える大きな病院も増えてきています。徐々に優秀な人材が育ち、昔のイメージもよくなってくるでしょう。

最後に、伝統医療について。
これは、一つ前の項目とも似ているのですが、伝統医療というのがカンボジアでは信じられています。ポルポトの時代に医療者が減ってしまった後、村で人々の健康を支えてきたのは伝統医療を行ってきた人たちです。彼らは、おまじないをしたり、植物から塗り薬を作ったり、マッサージやお灸をしたり。
実際に病院に行くよりも安いし、アクセスもいいし、昔から信頼されているので、患者さんはよく伝統医療にまずかかることが多いです。
骨折とか本物の木で「添え木」を作っていい感じで治していたりもしますが、塗り薬を傷に塗って、感染を起こしより傷が悪化することもあります。
伝統医療の全てを否定するつもりはありませんが、早く病院に来てくれていたらなと思うことはよくあります。


今日はひとまずここまでです。

明後日からは、ミッションが始まります。
また頑張ります!