明日へと向かう旅

初期研修を終了し、JapanHeartという団体のもとで、カンボジアで医療支援を行います。日々の生活や印象に残ったことを書きとめていきます。

5/31

お久しぶりです、カンボジアに来て早1ヶ月以上が経ちました。もう5月も終わり。

f:id:morimorinokimochi:20190602110507j:plain

BLSのテストが行われました。僕は試験監督役でした〜

最近こちらでコオロギを食べました。見た目はどうしてもキモいですが、目をつむれば小エビを食べてるみたいで結構美味しかったです。お酒のつまみにgoodです。

 

 

さて、ここジャパンハートでは日本から色々なボランティアの先生がいらして、手術をし、外来・入院患者さんの相談に乗ってくれます。

 

いろいろな先生が来るので、いろいろな手術が行われます。鼠径ヘルニアや痔の手術、小さな粉瘤の摘出術から甲状腺の手術、帝王切開などなど。本当に幅が広くて面白いです。僕もカンボジアのドクターに混ざって、手術を学んでいます。

手術も外来も入院管理もやるのですが、外来では、何かできものができてそれを取ってほしいと言う人が多いし、術後の患者さんはとても嬉しそうで、僕は対して何もしていないのに、僕に毎回手を合わせてお礼を言ってくれます。カンボジアの人は日焼けしていて肌がこんがりしている人が多いからか、笑った時に白い歯がキラっとして笑顔が素敵なんですよね。あれにはやられてしまいます。日本では病棟っていつも苦しそうにしている人が多かったイメージでしたが、ここでは病棟に診察しにいくとニコニコしている人が多くて、いい雰囲気だなって思います。ほんとみんないい笑顔みせてくれるんだよな。

 

 

僕はまだまだペーペーです。なかなかカンボジアドクターに医療を教えることは難しく、どちらかと言うと一緒に学んでいます。一緒に考え、一緒に調べ、一緒に患者さんと向き合います。きっと教えてくれる人だけでなく、僕みたいな一緒に学ぶ人も必要でしょう。日本から来て教えてくれる先生達も、最初は僕みたいだったんだって思うかな。そしたらみんな頑張れるかな?笑

 

今日はある患者さんが来ました。遠くの地から9時間もかけてこの病院にきたそうです。知人から聞いて病院を訪れたんだとか。胸の腫瘤がだんだん大きくなり、倦怠感も次第に強くなってきたようです。

診察すると触っただけで悪性とわかるような大きな腫瘤があり、リンパ節も腫れ、背中や腰も痛いようです。こういう時は辛いです。僕ができるのは、ここでは抗がん剤の治療はできないと伝えること。限られた薬の中からできるだけ症状が和らぐように薬を選んで処方すること。できれば早く大きな病院へ行った方がいいと伝えること。どうしてもお金がなくて乳腺外科の先生が来る日程を伝えること。それを、通訳のカンボジア人が伝えてくれます。

 貧しい人たちが最後の望みをかけてここへ来るのに、無力だなと痛感します。貧しいながらも一生懸命働いて、家族を養ってきた人なのに、何も悪いことをしていないのに、期待に応えられず、悲しいです。

 

僕がやれることは一つ一つできることを増やしていくことなのでしょう。この気持ちを忘れず、前を向いて歩いていくしかありません。