明日へと向かう旅

初期研修を終了し、JapanHeartという団体のもとで、カンボジアで医療支援を行います。日々の生活や印象に残ったことを書きとめていきます。

できることで人が喜んでくれるって本当に嬉しいですね

ご無沙汰していました。納豆が恋しい森田です。

 

9月から小児病棟に移動して、小児の一般的な病気(喘息や胃腸炎など)をみたり、小児がん患者をみたり(今現在ジャパンハートには小児がんの患者さんが10人くらい入院しています)手術や術後の管理などしています。

 

処置の時は子供達に大泣きされながら、でも無邪気な笑顔に癒されながら、毎日を過ごしています。

 

 

最近考えていたことがあります。

ときどき短期ボランティアにきてくださった方に、「ここはちゃんと手術適応とか合併症のリスクとか考えているの?」と言われることがあります。ある先生は「他人の身体にメスを入れることの責任を理解できるまで執刀はさせない」と言われて育ったそうです。確かにここでは、ときどき来る専門の先生に手術が必要かどうかの判断を頼っている部分も多く、また手術中は教えてくださる先生がいるので、深く考えられていませんでした。

特にこの病院に来る患者さんは手術が無料で受けられると聞いて、ただの出来物なのに手術を希望して受診される方も多いと思います。そういう方々を自分たちの練習台にしていないのか?無料で医療を提供しているからってなんでもやっていいのか?これは、ここにきたボランティアの先生にも時々言われますし、僕がカンボジアに来る時にいただいた反対意見にもありました。

 

どうしてもこういう意見は出てしまうと思います。自分自身でさえ今自分のやっていることが正しいことかどうか不安になることが多く、これは患者さんを練習台にしてしまっていないかと思うことがあります。

 

でも、よく患者さんに、この出来物は手術しなくてよい、手術すると合併症のリスクがある、様子をみてよい。とよく説明しますが、どうしても手術をして欲しいとお願いされることが多いです。何時間もかけて遠いところから手術が受けられると期待して来る人や、何年もその出来物で困っている人、説明してもその出来物が悪いものじゃないか不安に思う人、その出来物のせいで肩が痛くなって農業ができないという人(その出来物のせいじゃないと説明しても、どうしてもとって欲しいとお願いされます)

これだけお願いされると、やっぱり手術してあげようって思います。日本ではセカンドオピニオンとか、より上手な先生を求めて病院を探すこともあると思いますが、ここに来る方の多くは、おそらくここで手術しなかったら一生手術しない人が多いのではないかと思います。そういう人たちを「手術の必要ないから!」といって返すのは、医療者としてではなく人として僕にはできないです。

僕らにはそれを取ってあげることができる。手術の後、患者さんたちが喜んで帰っていく。それで患者さんも一つ嫌なことが減って以前よりも元気に暮らせるなら、それでいいんじゃないかな。というのが僕の結論です。

できることを増やして、患者さんが元気で帰っていく人が一人でも多くしたいです。

 

最近、形成外科の先生がいらして手術された時、本当に手術がきれいで、傷もきれいでやっぱり感動しました。小さな手術でもやっぱり綺麗に治してあげたいと思いますし、やはり専門は形成外科に行きたいな〜って思います。

実際みための問題で困っている人は多いけどお金がなくて手術が受けられない人は多く、形成外科の需要は本当に大きいなと思います。

 

自分のこの活動が終わった後のこともそろそろ考えていかねばなりません。どうしようか。

 

またブログ更新します!

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なんでこんなポーズになってるか覚えがないですが、真剣に患者さんを診ています